マイホーム購入後はなるべく早く借金を返済したい!⇒積極的に繰り上げ返済がセオリーと言われていますね。
確かに早目に完済すれば
- トータルで支払う利息を減らせる
- 精神的に安心できる
というメリットを得られますね。
しかし!
長期目線でお金を増やすならば違う手段を選択すべきで、結論から言えば資産運用をした方がお金をもっと増やすことができます。
本記事では実際に数字を使って解説させていただきます。
★こんな人達の役に立ちます★
- マイホームを購入済または検討中の方
- 繰上返済すべきか迷っている方
- 資産運用に興味がある方
資産運用の利回り>住宅ローン金利のため、長期的に資産運用の方が得
住宅ローンの金利が非常に低い現在では、大体の資産運用において
資産運用の得られる利益 > 住宅ローンで支払う利息
なので、長期的に見るならまとまったお金は繰り上げ返済ではなく資産運用に回すべきだと考えています。
何かを選択する場合、トータルで…つまり長期的に見て得になる方を選びたいというのはもっともな考えですので、そのように考える方が非常に多いものです。
私も同様で、なるべく長期的な目線で得になる選択をするよう日頃から心掛けています。
毎回できているかどうかはさておきとして。
繰り上げ返済をすると借金が早く減ったように感じるのでついついやってしまいたくなるものですし、実際日本人にはそういう行動を取る方が多いです。
このことは先日投稿させていただいた下記記事でも解説させていただいていますので是非併せて読んで参考にしてみてください。
ちなみに資産運用の利回りの方が住宅ローンの金利より高いとだけ言われてもピンとこないと思われますので、それぞれの基準を具体的な数字でお伝えしますと次の通りです。
- 資産運用:3.0%~ ※2020/07/27時点
- 金利:0.38%~1.475%(変動金利) ※2020/07/27時点
資産運用の方が圧倒的に多いことが分かりますね。
低金利の今では住宅ローンで支払う金利よりも資産運用の利益の方が多いため、同じお金を使うならば繰上返済するより資産運用をした方がお金を増やすことができる。
2つのケースで比較してみよう、繰上返済 VS 資産運用
これまでの内容を踏まえ、本記事では実際に
- 繰り上げ返済:あり 資産運用:なし
- 繰り上げ返済:なし 資産運用:あり
の両ケースをそれぞれ検証し、どちらの方がトータルでお金が増えるのかを見ていきましょう。
両ケースの詳細は次の通りで、違いは緑色の文字の部分です。
検証1:繰り上げ返済する場合
借入金 | 2,000万円 |
---|---|
借入年数 | 35年 |
借入金利 | 1.475% |
繰上返済額 | 100万円/年 |
[備考]
毎年100万円の貯金ができるので、年末に100万円を繰り上げ返済する
繰り上げ返済後は返済予定額と繰り上げ返済予定額をそのまま貯金するものとする。
検証2:繰り上げ返済する場合
借入金 | 2,000万円 |
---|---|
借入年数 | 35年 |
借入金利 | 1.475% |
買い増しする配当株 | 100万/年(利回り: 3.0%) |
[備考]
毎年100万円の貯金ができるので、年末に100万円分の株(配当金が出るもの)を購入する。
違いは毎年貯まる100万円を繰り上げ返済に使うか株の購入に使うかです。
(なお、変動金利と資産運用の利回りはそれぞれ1.475%・3.0%で設定しています。)
なお、何もせずに35年間返済した場合、
というシミュレーション結果となり35年間で約560万円の利息を支払うこととなります。
それぞれの検証でこれがどこまで下がるかが勝負のポイントです。
繰り上げ返済も資産運用もしない場合、35年間で約560万円の支出。
これが繰り上げ返済するケースと資産運用するケースでそれぞれどう違ってくるかが勝負のポイント。
[検証1]繰り上げ返済した場合
まず試しに最初の1年で100万円の繰り上げ返済を行った場合を見てみましょう。
*繰り上げ返済は利息合計がより少なくなる期間短縮を選択しています。
利息合計:約206万円
先ほどの画像を見てわかるように、13年かけて繰り上げ返済することで利息合計が約206万円にまで下がりました。
資産形成:約3,810万円
繰り上げ返済につき13年で住宅ローンが完済されることになります。
このためそれ以降の22年間は以下2点をそのまま貯金することができます。
- 月々返済分の60,992円
- 100万円
(①/月 x 12 + ②/年) x 22年 = 38,101,888円
の計算により約3,810万円の資産が形成される計算となります。
35年後に残る資産:約1,994万円
以上のことより、検証1の結論は
3,810 – 206 = 3,604
の計算式により、35年後に残る資産が3,604万円であることが分かりました。
[検証2]資産運用した場合
利回り3%の配当株を毎年100万円ずつ買い増するケースです。
利息合計:約560万円
繰り上げ返済は行わないので返済は35年続きます。
繰り上げ返済をしない場合の利息の支出は560万円であることを前述させていただきましたので、つまり利息合計は35年間で約560万円のままですね。
資産形成:約5,390万円
35年間でどれほど資産を形成できるか?
こちらのケースでは2つの収入が生じます。
- 株
- 株からの配当収入
①の方はは毎年100万円買い増しすることになるので、単純に35年で3500万円分の資産になりますう。
一方で②ですが、1年目は100万円の株に対して3万円、2年目は200万円分のかぶにたいして6万円という風に毎年3万円ずつ増えることになるので、これが35年続くと
3 + 6 + 9 + … + 105 = 1,890万円
という計算式で1,890万円の資産ができあがることが分かります。
したがってこちらの検証では①と②を合わせて5,390万円の資産が形成されることとなります。
35年後に残る資産:約4,830万円
以上のことより、検証1の結論は
5,390 – 560 = 4,830
の計算式により、35年後に残る資産が4,830万円であることが分かりました。
検証1より1200万円以上資産が残る上、ローン完済後も継続して毎年配当収入を得ることができるという結論となりました。
補足:繰上返済すると団信の面でも不利になる
資産運用の方が繰上返済よりも1200万円以上多くの資産を残すことが分かりました。
この時点で資産運用の方が良いという話になるのですが、実はもう一つ、数字では比較できないのですが繰上返済することで不利になることがあります。
それは団体信用生命保険(団信)に入っている場合です。
団信は住宅ローンを組んだ者が亡くなってしまった場合、住宅ローンの残高がゼロになるものですので当然ローン残高が減るほど恩恵を受ける額も少なくなります。
あまり亡くなった後のことを考えたくはないですが、こういうリスクも含めて資産運用の方が金銭的には有利になるということが言えます。
まとめ
長期的な得で考えるならば、繰り上げ返済をするよりも資産運用した方が良い。
この主張を検証と共にお伝えさせていただきましたがいかがでしたでしょうか。
資産運用した方がトータルで1200万円ほど資産が多く残ることが分かりました。
時代が変わることで金利と資産運用の利回りの目安は変わるかも知れませんが、
いつの時代もそれぞれのケースをご自身で検証し、その中で一番お得な道を選択することであなたの生活はより豊かになっていくことでしょう。
本記事の考え方が参考になりますと幸いです。