住宅ローンを借りる際は頭金20%が目安ですとFPに言われたことありませんか?
FPに言われれば思わず「なるほどそうかぁ」となりがちですがちょっと待ってください。
確かに昔はそれでよかったのですが、低金利の今の時代では違います。
結論から言えば、低金利の現在では仮にお金に余裕があっても頭金はゼロにし、代わりにその金で資産運用をした方が長期的に資産が増えます。
★こんな人達の役に立ちます★
- 頭金の余裕がある方(そもそも余裕のない方はローン自体NG)
- マイホームの頭金いくら入れれば良いか迷っている方
- 頭金でお金を減らしたくない方
低金利であれば資産運用の方が大きな資産を形成できる
繰り返しになりますが、頭金をゼロ円で済ませて資産運用した方が大きな資産を形成できます。
私自身も頭金はゼロ円で、むしろ諸費用ローンで物件価格以上のローンを組んでいます。
その理由は簡単に言えば、現在では下記の2つが可能であるからです。
- 低金利(1%以下)で住宅ローンを借りることができる
- 利回り1%以上の資産運用が簡単にできる
言い換えると、資産運用するのに必要な資金を低金利で調達することができるからということになります。
例えば金利0.5%で調達できたお金で利回り3%の資産運用をすれば差し引き2.5%の利回りで増えていく理屈です。
シンプルな話ですよね。
数字で比較、【頭金あり】VS【頭金ゼロ+資産運用】
シンプルとは言ったものの、概念の話だけで具体的な数字で比較しないとピンと来ませんよね。
ですので本記事では次の2ケースのシミュレーション結果を出して勝負することでより具体的にお伝えさせていただきます。
- 頭金を入れる(20%)&資産運用せずに返済するケース
- 頭金を入れない&資産運用(利回り3.0% *)をしながら返済するケース
(*)詳細は割愛しますが、利回り3.0%は配当金の出る株の購入であれば現実的な数字です
勝負の内容はそれぞれのケースで返済をし終わった後、どちらの方が資産が多く残っているかで決めます。
両ケースとも2000万円の物件を35年のローン(金利は年0.5%)で借りる想定で、シミュレーションの詳細な前提は以下の通りとしましょう。
(違っているところを緑色にしています。)
ケース1:頭金20%&資産運用なし
物件価格 | 2,000万円 |
---|---|
頭金 | 400万円 |
借入金 | 1,600万円 |
貯金残高 |
0万円 |
借入年数 |
35年 |
借入金利(年) |
0.5% |
繰上返済 |
なし |
【余談】これはあくまでシミュレーションなのでいいですが、頭金入れて貯金ゼロにするのは止めましょう、その後何かあったら破産しかねないので。
ケース2:頭金ゼロ&資産運用あり(利回り3%)
物件価格 | 2,000万円 |
---|---|
頭金 | 0万円 |
借入金 | 2,000万円 |
貯金残高 |
400万円 |
借入年数 |
35年 |
借入金利(年) |
0.5% |
繰上返済 |
なし |
【余談】これはあくまでシミュレーションなのでいいですが、貯金の全てを資産運用に回すのは止めましょう。
それではそれぞれシミュレートしてみましょう。
ケース1:頭金20%&資産運用なし⇒35年で145万円の『マイナス』
ケース1のもう一度詳細を確認しましょう。
物件価格 | 2,000万円 |
---|---|
頭金 | 400万円 |
借入金 | 1,600万円 |
貯金残高 |
0万円 |
借入年数 |
35年 |
借入金利(年) |
0.5% |
繰上返済 |
なし |
ケース1では資産運用をしない前提としているため、当然ながら配当収入は35年でゼロ円です。
次に支払う利息ですが、物件価格2000万円に対して借入金1600万円、金利0.5%で35年の借入なのでこの数字をローンシミュレーターに入力してみましょう。
(なおローンシミュレーションにはiOSの『iLoan Calc』を使用しています。)
赤マル部分が35年で支払う利息の総額で、これを見て見ると35年で1,443,938円かかることが分かります。
以上をまとめると次の計算式により、35年で145万円ほどのマイナスとなることが分かりました。
- 35年の配当収入:0円
- 35年の利息額:1,443,938円
⇒①-②=-1,443,938円
ケース2:頭金ゼロ&資産運用あり⇒35年で240万円の『プラス』
ケース2のもう一度詳細を確認しましょう。
物件価格 | 2,000万円 |
---|---|
頭金 | 0万円 |
借入金 | 2,000万円 |
貯金残高 |
400万円 |
借入年数 |
35年 |
借入金利(年) |
0.5% |
繰上返済 |
なし |
ケース2では手持ちの400万円を頭金に入れず、全額を配当利回り3%の株に投入しますので、得られる配当収入は年間12万円、35年で420万円の配当収入が得られます。
次に支払う利息ですが、物件価格2000万円に対して借入金2000万円、金利0.5%で35年の借入なのでこの数字をローンシミュレーターに入力してみましょう。
赤マル部分が35年で支払う利息の総額で、これを見て見ると35年で1,804,939円かかることが分かります。
以上をまとめると次の計算式により、35年で240万円ほどのプラスとなることが分かりました。
- 35年の配当収入:4,200,000円
- 35年の利息額:1,804,939円
⇒①-②=–2,395,061円
低金利で調達したお金で資産運用をするのは有効な戦術
2ケースのシミュレーションをすることで、
- 頭金を入れると145万円のマイナス
- 頭金を入れずに資産運用すると240万円のプラス
となり、385万円もの差が出てしまうことが分かったのですがこれは何故なのでしょうか?
冒頭でお話したことの繰り返しですが、ケース2の頭金ゼロ&資産運用では、利回り3%の資産運用をするために0.5%の金利で400万円借りているのと同じなのです。
つまり、実質利回り2.5%の資産運用をしていることになります。
不動産投資で銀行から資金を借りて投資用物件を借りるのとやっていることは同じです。
400万円で実質利回り2.5%の収入は年10万円ですので、これを35年続ければ約350万円の収入になります。
いかがでしょう?先ほどのシミュレーション結果に近い数値が出ていませんか?
今の低金利だからこそできる話ではありますが、あえて借入金を多目にすることでより多くの資産を形成することができてしまうのです。
まとめ
住宅ローンを組むならば頭金は20%入れるべきなのか?
答えはNOで、頭金はゼロにして代わりに資産運用をしましょう、というのが私の結論です。
もちろん住宅ローンの借入金利を上回る資産運用がなければ話は変わりますが、現在の低金利の時代であれば上回る商品が多数あります。
マイホームの購入も立派な資産運用です。
長期的に見てどの選択肢があなたにとって最適なのか、よく検証した上で住宅ローンを組むようにしましょう。