住宅ローンを組んでいる方へかの有名な戸愚呂弟から一言。
「お前もしかしてまだ、自分が破綻しないとでも思っているのかね」
住宅ローンで破綻する人は毎年50人に1人出ると言われています。既に警戒している方は問題ありませんが、毎年の話なので自分にはずっと無関係とは思わない方が良いと考えています。
何故ならば大丈夫だと思って組んだ方・今も問題なく支払えている方であっても、きっかけ1つで計画は崩れてしまいかねないからです。
「既に借りていて大丈夫そうだけど、今後も大丈夫かな」
「これから借りようと思っているけど、どんなリスクが起こりうるんだろう」
「自分は完璧なはずだけど、一応チェックしておこうかな」
そう考える方々にとって気付きとなるように(そして同じく住宅ローンを返済中の自分への注意喚起も兼ねて)書かせていただきましたので、是非読んでチェックしてみてください。
★こんな人達のお役に立ちます★
- 住宅ローンを組んでいて、完済できるか不安な方
- 住宅ローンを組んでいて、自分は大丈夫と思うが安心したい方
- 住宅ローンを検討しているが、何に気を付けるべきか知りたい方
住宅ローン破綻はお金にだらしない人だけに起こる問題ではない
よく聞かされる住宅ローン破綻を起こす人の特徴が次の通りです。
- 年収に対して上限まで借りている
- 完済時の年齢が定年退職より後に設定している
- ボーナス払いで多目に払う設定にしている
こういった住宅ローンの組み方は論外ですが、上記に該当していなくても住宅ローンを組んだ後には色々な変化がつきもので、それが返済計画を崩す可能性は十分にあるのです。
住宅ローン組んだ後の変化を予測できない人は破綻しやすい
- 年齢と共に昇給されていく年功序列
- 定年まで雇用が約束される終身雇用
この2つが保証されていたから昔の日本では住宅ローンも組みやすかったものですが、今の日本ではそのいずれも崩れています。
増してや昔の日本と違い
- 夫婦共働きが標準化している⇒夫婦2人分の収入に基づいて住宅ローンを組む人が増えている
- 会社にいたとしても実力主義になってきている⇒格差が広がり、標準というものが許されなくなる
- ジョブ型雇用の導入が始まっている⇒より雇用が不安定となっていく
という新たな要素も加わっているので、昔よりはるかにリスクが高いのが現代です。
住宅ローン返済を苦しくする4つの変化
住宅ローンで生活が苦しくなる理由はなんなのか?
繰り返しになりますが、一言で言えば「変化により当初の予定が狂った」に他なりません。
その計画を狂わせる変化とは何か?具体的には次の4つの変化が該当します。
- 住宅ローン以外のコストの認知
- 収入の減少
- 生活費の増加
- 金利の増加
住宅ローン以外のコストの認知
住宅を売る業者からは住宅ローンの返済額が毎月いくらかという説明はあっても、それ以外のコストについての説明はありません。あまり言うと客が離れてしまうから。
マイホームの住居費は毎月のローン返済額だけではないという記事も書いていますので詳細は是非そちらも読んでみてください。
具体的には
- 固定資産税
- 火災保険
- 地震保険
- 管理費
- 修繕積立金
といった費用が毎月何万円もかかるというのにも関わらず業者は聞かない限り答えてくれません。
逆にあなたにお聞きしますが、これまで見た住宅のチラシにこれら全てのコストが記載されたものはありましたでしょうか?
私がこれまでマイホーム探しや投資用物件を探す仮定で目を通した何百ものチラシの中にはありませんでしたし、そもそも客に少しでも価格を安く見せるようとする業者が全てのコストを書いてくれるはずがありません。
逆に私は家を買うにあたりこれらの費用をこまかく業者に確認したら「珍しい視点で質問されますね。業者の方ですか?」と聞かれたぐらいです…確認している人が少ないんだなと実感させられました。
これから組む方は住宅ローン以外にどのようなコストがいくらかかるのか?を業者に確認するようにしましょう。
収入の減少
年功序列および終身雇用が崩れ、尚且つジョブ型雇用の導入で雇用面や収入面での不安定要素が増え続けています。
そんな現状を踏まえると、今後は次のパターンが増えていくであろうと考えています。
- 昇給する計画だったが昇給しなかった or 減給された
- 鬱または怪我で休職または退職してしまった
- 解雇されてしまった
特に昨今では夫婦共働きが増え2人分の収入に基づき住宅ローンを組むことを考える人が増えていますので、これらのリスクは倍増していくでしょう。
また2人で返済するとなると
- 出産を機にどちらかが仕事を辞める
- 離婚
などのリスクも増えるので、少なくとも2人分の収入を元にしない&事態が今より悪くなる想定で住宅ローンを組んだ方が良いです。
そんなこと考え始めたら住宅ローンなんて組めなくなると思うならば、今はまだやめておいた方が良いです。
生活費の増加
特に子供を育てている家庭ほど要注意ですが、例えば
- 子供が増えることになった
- 子供の高校・大学の授業料がかかるようになった
- 子供の習い事(塾、部活など)で費用がかかるようになった
- 増税により、これまでの予算で買い物ができなくなった
- 家族が病気にかかり、病院代がかかるようになった
などといったことは想像に難くないものの、具体的にいくらかかるであろうかまでを想像している人は少ないです。
無論これらを正確に計画することなんて不可能ですしそこまでしろと言うつもりは毛頭ありません(私自身そんなことはできません)。
しかしせめて概算レベルで見積もっておくことぐらいはしておかないと危ういと考えます。
いざ生活費が増加したタイミングで「こんなはずではなかった」と言っても誰も責任を取ってくれません。
生涯費用計算を行うことで今後自分が望む人生を歩むにはどのタイミングでいくらお金が必要になってくるかが概算レベルで見積もれます。
生涯費用計算について書いた記事もありますので、是非そちらも併せて読んで今後の参考にしていってください。
金利の増加
最初に住宅ローンを組む際に大きく分けて「変更金利」「固定金利」の2択の中から選ぶことになります。
変動金利を選んだ場合は最低6ヵ月間は現在の返済額が維持されますが、それ以降は変動金利の変動によって変わってきます。
こればかりは自分自身でどうこうコントロールできるものではありませんが、せめて借入額・変動金利により次の表の様に返済額が変わるものだと事前に把握した上で余裕をもったローンの組み方をすべきでしょう。
借入金 | 0.5% | 0.6% | 1.0% | 2.0% |
1,500万円 | ¥38,938 | ¥39,604 | ¥42,343 | ¥49,689 |
2,500万円 | ¥64,896 | ¥66,007 | ¥70,571 | ¥82,816 |
3,500万円 | ¥90,855 | ¥92,410 | ¥98,800 | ¥115,942 |
まとめ
住宅ローン破綻を引き起こしうる4種類のリスクについて解説させていただきました。
- 年収に対して上限まで借りている
- 完成時の年齢が定年退職以降になっている
のいずれを満たしていなかったとしても、
- 住宅ローン以外のコストの存在を知る
- 収入の減少
- 生活費の増加
- 金利の増加
の4種のリスクにより計画が崩れることは十分にありうるのです。
特にこれから住宅ローンを組もうという方はこういったリスクがあることも踏まえて厳しめの計画を立て、それで返済ができそうにないと感じたらいったん見送ることをおススメします。
なお、住宅ローン返済額を見直す方法についても記事を書いていますのでそちらも読んで参考にしていただけますと嬉しいです。