冬のガス代は悩みの種で、夏と比較して高くつくものです。
理由は夏よりお湯を沸かすためのガスを大量に使うからなのであり、逆にその量を抑えることが節約の鍵となります。
本記事では節約の前に、まずは現在の自分の状況とガス代発生の仕組みについて解説します。
なお本記事では都市ガスを使われていることを前提としています。プロパンガスを使用されている方は大変申し訳ありませんが、また別記事で解説させてください。
★こんな人達のお役に立ちます★
- 冬のガス代の高さに困っている方
- ガス代の節約をするにあたり、ガス代の仕組みを知りたい方
併せて本記事を踏まえて具体的にどう節約するか?についても次の記事で書かせていただきましたので是非併せて参考にしてみてください。
冬のガス代はどこを見直すべきなのか?
冒頭でも述べた様に、冬のガス代が大きくなる要因はお湯を沸かすのにガスを使うことにあります。夏と比べると水道の水の温度は低くなるので、これをお湯にするにはもっと力が要りますよね。
このことを踏まえ、見直すべきことは大きく分けて次の2つです。
- お湯を大量に使う場所
- 契約(基本料金、単価の安いものを選ぶ)
冬のガス代…と言いつつどの時期であっても節約効果が出るものではありますが、特に冬はその効果を実感できます。
冬のガス代平均は?そもそも自分は使い過ぎているのか?
節約しよう!の前に、そもそも自分のポジションを確認した方が良いです。平均よりも大きければそれは危機感をもって節約を実践すべきですし、そもそも平均を大きく下回っていれば既にできている可能性すらあります
総務省の2019年の調査によると世帯別・季節別で平均値は次の通りとなっています。
世帯別・季節別のガス代の平均値(総務省の2019年の調査より)
グラフ
表
世帯人数 | 春(4~6月) | 夏(7~9月) | 秋(10~12月) | 冬(1~3月) |
1人 | ¥3,121 | ¥2,102 | ¥2,449 | ¥3,599 |
2人 | ¥5,079 | ¥3,167 | ¥3,683 | ¥6,160 |
3人 | ¥5,620 | ¥3,650 | ¥4,219 | ¥6,933 |
4人 | ¥5,972 | ¥3,616 | ¥4,277 | ¥6,885 |
5人 | ¥5,901 | ¥3,965 | ¥3,859 | ¥7,335 |
ガス代の平均値(世帯別・季節別)の表
さてあなたはこの平均値と比較していかがでしょうか?ちなみに私は2人家族(妻と二人暮らし)で冬は¥5,000以下をキープできているのでとりあえず平均を下回れているようです。
ガス代の仕組み
ここではガス代の仕組みの話をしたいと思います。
そもそもガスの料金はどういう計算で成り立っているのか?というのと、生活のどのシーンでいくらかかっているのか?
料金計算
ここに私の2020年1月に東京ガスから届いた請求書がありますのでこれを元に解説させてください。
青枠のところを見ると請求金額=「基本料金」+「従量料金」となっていて、基本はガスの使用量に比例して増えることが分かります。
緑枠のところを見るとその月にどれほどガスを使用したかが分かります。
赤枠のところを見ると1㎥あたり何円の単価になっているかが分かります。仕組みは勉強不足で分かり切っていないのですが、その月に記載されている単価が翌月の請求額の計算に利用されます。この単価が毎月変わるのですが、B表ですとおおよそ単価115~126円となっているようです。
なお私はこの月に29㎥使ったのでB(21㎥~80㎥)の単価が適用されまして、従量料金は29㎥(緑枠の使用量)x116.53円(赤枠の単価)=3,379.37円(青枠の従量料金)となっていたわけです。
基本料金や単価は契約によるものですが、ここで大事なのはガスの使用量に応じていくらずつ高くなるかを把握することですので、是非ご自宅の請求書を見て確認してみてください。
色々難しいことを書きましたが、いったんは1㎥あたり約120円かかるものと認識してください。
使用シーン別でどれぐらいガス代がかかるのか?
生活における様々なシーンでガス代は一体いくら発生しているのか?これを把握するところから始めていただきたいと思います。そうすればどこを注意すべきかも自然と意識できるようになります。
なおここで出す計算に使用される数字は経済産業省の「家庭の省エネ 徹底ガイド 春夏秋冬2017」から引用させていただいています。
風呂場:風呂は70円、シャワーは40円、追い炊きは14円。
お湯の温度を45℃とする場合、1Lのお湯を沸かすために使うガスは0.0029㎥で、料金は0.34円となります次の通りとなります。細かい小数点は切り捨てています。
1Lのお湯を沸かすために使うガス量[㎥]
⇒水量(1L)x温度差(設定温度45℃ – 水温20℃) ÷ 熱効率(0.8) ÷ 10750(1㎥あたり熱量) = 0.0029㎥
1Lのお湯を沸かすためにかかる料金[円]
⇒0.0029[㎥] x 120[円/㎥] ≒ 0.34円
(※冬の水の温度は20℃、ガス単価は1㎥あたり120円とした場合。)
これを踏まえて風呂とシャワーでそれぞれいくら使うかを計算すると、風呂は200Lのお湯を張ることになるので1回あたり約0.34 x 200 = 約70円。
シャワーは1秒に200ml流れることを踏まえると10分浴びる場合は120Lなので約0.34 x 120 = 約40円ということが分かりますね。
つまり冬は風呂が1回約70円、シャワーが1回約40円ということが分かりました。
また風呂を追い炊きする場合は200Lのお湯を数度沸かすことになるので、計算は先ほどと同様になりますが1℃あたり2.79円かかります。
追い炊きはそれなりに冷めた時にやるものなので、仮に5℃上げるとして1回あたり約14円かかる計算になります。
キッチン(料理):1時間で3.6~28.5円
料理の際のガスといえばガスコンロですが、その計算式は次の通りです。
公式:ガスコンロのガス代
=①出力(kW)×3.6MJ/h×時間(h)÷②ガスの発熱量(MJ/㎥)×③ガス料金(円/㎥)
①は強火で2.97kw、中火で1.68kw、弱火で0.38kw。
②は風呂の時と同様で10750kCalなので1㎥あたり45MJ。
③は本記事では120円としていますのでそれで。
(②はしれっと言っていますが東京ガスからの引用で私も詳細は分かりません!(キリッ))
つまり1時間あたりいくらかかるかと言いますと、次の表の通りとなります。
火力(出力) | ガス料金(1時間あたり) |
強火(2.97kW) | ¥28.51 |
中火(1.68kW) | ¥16.12 |
弱火(0.38kW) | ¥3.64 |
煮込み料理を作る時は強火で一気に、より弱火でコトコトと言われる理由がよく分かる表ですね。
キッチン(皿洗い):約40円
冷たい水のままで皿洗いする分にはかかりませんが、そういう修行みたいなことはせずにお湯を使う方が大半かと思われます。
仮に湯を10分出しながら皿洗いをした場合、シャワーの時と同様の計算式になりますので1回あたり約40円かかるという計算になります。
洗面台:1分で4円
こちらは歯磨き・洗顔・手洗いの時を想定していますが、計算そのものはシャワーと同じです。あとはお湯を何分出すかは人によりますので、詳細は割愛しますが1分あたり4円かかると考えていただければよいです(シャワーが10分で40円なので、その十分の一)。
油断すればチリツモとなりそうな単価ですね。
床暖房:1時間で12.5~22.9円
ここだけお湯関係ありませんが、床暖房も実は電気だけでなくガスの力を使っています。
床暖房は温める広さによりますが、次の表の通りです。なお1ヵ月あたりの料金は1日8時間、30日で計算しています。
広さ | 1ヵ月あたり | 1時間あたり |
6畳 | 約3,000円 | 約12.5円 |
8畳 | 約4,000円 | 約16.7円 |
10畳 | 約4,500円 | 約18.8円 |
12畳 | 約5,500円 | 約22.9円 |
広さ次第になりますが、1時間あたりのガス料金は約12.5~22.9円というところですね。
まとめ
冬はお湯を沸かさなければならない分ガス代がかかる。節約をしたいところだがまずは自分の状況であったり仕組みを解説させていただきました。
実践できる節約術についてはまた別記事で書かせていただいていますので是非この次に読んでみてください。
本記事であなたのガス代に関する知識が深まればとても幸いです。