親の言う「銀行に貯金しなさい」「投資はギャンブル」は昔は王道『でした』。
「貯金しなさい」「銀行に預ければ安心」「投資はギャンブル」と親から教わった方は多いですが、その理由をどこまでご存知でしょうか。
かつてはそれが王道であり間違っていなかったですが、今ではそれが逆にあなたの資産価値を減らすことになる理由を解説します。
「親だって自分達が経験してきたからこそ銀行に預けろと言ってるのでは?」
「先人に倣えと言うじゃないですか」
と考える方々に向けて記事を書かせていただきましたので、少しでも良い気付きになっていただければ嬉しい限りです。
★こんな人達のお役に立ちます★
- お金は銀行に預金すべきと考えている方
- どうして銀行はお金に預金すべきと言われているのかが疑問な方
- 銀行に預ける以外にお金を増やす方法がないかを模索されている方
銀行に預けろと言われる理由はほぼノーリスクでお金が増えてきたから
何故「銀行に預けろ」と言われてきたか?
今ではタンス預金(家に保管する)より安心というのが主な理由でしょう。
とは言え銀行に預けろとは言われても資産運用(投資)をしなさいとまで言う親は少ないです。
2019年に金融庁が老後2000万円問題を提唱してから初めて資産運用を意識した方すらいるのではないでしょうか。
結論を言えば昔は勝手にお金が増えていったからです、しかもほぼノーリスクで。
昔は100万円預けていれば毎年何万円も利息でもらえていたことをご存知でしょうか。
100万円預けて翌年には12万円利息の利息をもらえていた時期もありました。
今銀行に100万円預けたところで毎年10円~1000円しか増えないので、12万もお金を増やせと言われると株・FX・不動産などのリスクある商品を買って相当の戦果を挙げる必要があります。
そういう時代を生きてきた経験があるからこそ、
- お金は銀行に預けろ
- 資産運用はギャンブル
という教えが続いてきたわけです。
昔の銀行の金利は最大で12%
繰り返しになりますが昔の銀行の金利は良い意味ですごかったでした。
すごかったと言葉だけで言われても伝わらないと思うので実際に数字で見てみましょう。
金利の推移
郵便局に貯金した時に受け取れる金利の推移を日銀の「経済金融統計月報」から引用しました。
グラフは1974~2000年の金利の推移です。
1990年代後半のデータがほぼ見当たらないのは不足しているからなのか、地を這うほど低い水準になっているからなのかは定かでないですが、
- 1970年代と1980年代には金利12%もらえる時期があった
- 1~2年定期の金利は1990年代前半まで4%以上
ということが読み取れますね。
昭和30年代でも5%台の金利
ついでに昭和30年代の日本勧業銀行(今でいうみずほ銀行の前身の1つ)が出していた定期預金のチラシも参考程度にお見せします。
この時は1年定期で5.5%程度の金利があったので1日あたり15円もらえていたようです。
ちなみに今のみずほ銀行のスーパー定期(1年)に預けても0.002%程度なので年間2円です。どの辺がスーパーなのかと問いたくなりますね。
定期預金で毎年服を買えていた親世代
私の親は1974年以降を社会人として生きてきた世代ですので試しに当時の様子を聞いてみました。
親は残念ながら貯金があまりなかったので恩恵を受けることはできていませんでしたが、親の知人は銀行に賞与(ボーナス)を預けてその翌年にもらえた利息でワンピースなどの服を買っていたそうです。
ちなみに今の時代でこれをやろうとすると銀行金利はよくて0.1%なので、仮に2万円のワンピースを金利で買おうものなら2億円いりますので悪しからず。
令和時代に資産運用で年利4%以上を達成するには努力が必要
昔は銀行に預けるだけで毎年4%以上の利息を得られたわけなので、今で言う年利4%以上の資産運用が勝手に行われているような状態ですね。
では今の令和時代で年利4%以上の成績を挙げるにはどうすれば良いかというと株なり不動産などの投資商品を買うなどの形で資産運用しないと無理です。
当然、単に投資商品を買ったところで損をする可能性の方が高いのでよく勉強して資産運用するなどの努力が求められます。
今では努力をしないと得ることのできない年利4%以上の水準を昔であれば銀行に預けるだけで達成することができました。
銀行に預けるだけなので、銀行さえ倒産しなければお金は守られるのでほぼノーリスクだったわけです。
こういう時代を生きてきた親世代からすれば
- 貯金しなさい
- お金は銀行に預けておけば安心
- 資産運用はギャンブル
と言われるのも理解できますね。確かに銀行に預けることこそ王道だと言えます。
今後は銀行に預けても逆に価値が減っていくだけ
今は昔ほど金利の恩恵を受けることはできないですが、それでも家に保管するよりは銀行に預けておけというのは正しいのではないか?と考える方はまだ多いです。
確かに家が燃えたり盗難に遭うリスクを考えると家に保管するよりかはマシですが、残念ながら今後のことを考えるとそうとも言えません。
それは何故かというと、今後もインフレや増税の影響で物価がどんどん上昇していくからです。
今は自動販売機の缶ジュースは130円しますが30年前は100円であったことを覚えていますでしょうか。
今は国立大学の授業は年間50万円程度ですが30年前は40万円程度だったのをご存知でしょうか。
今は消費税10%ですが、消費税は約30年前に導入されたもので、しかも導入当初は3%であったことをご存知でしょうか。
確かに銀行に預けさえいれば貯金額は維持(正確には微増)されますが、そのお金で買えるものは時間の経過と共に減っていっているのです。
今後はどうしていくべきなのか
銀行にさえ預けておけば安心できていたのは昔の話で、昔の王道。
今でも毎月の給料や賞与を銀行に預け続けていれば貯金額は増えるでしょうが、インフレや増税のことを考えると効率は悪いと言えます。
少なくともインフレや増税で貯金の価値が減る以上のペースでお金を増やしていくのが望ましいです。
まとめ
どうして我々は親世代から銀行に預けることだけを強く推奨されてきたのか。
昔は銀行へ預けることが一番の王道であったこと、しかし現在はそれだけだと逆に預貯金の価値を減らし続けることを解説させていただきました。
そしてそれを踏まえて我々はどう預貯金を運用していけば良いのかという問いに対し、私は資産運用をしていくことを推奨します。
必ずしも資産運用してくのが正しいというわけでもありませんが、少なくとも銀行預金だけをしていく方は遠回りをしながら資産を増やす運用をしているということだけでも理解いただく必要があります。
この記事があなたにとって良い気付きになってくれましたら幸いです。