独立を考えているならば、信用金庫に預けることで将来有利になることがあります。
将来の独立のために貯金したい方はどこに預けていますか?
預けると言えば銀行へ目が行くと思いますが、独立を目指し尚且つ融資を受けることを考えている方にとっては信用金庫の方が適した資産運用になります。
信用金庫の特徴や銀行との違いを解説いたします。
なおここでいう銀行とは、都市銀行・地方銀行・インターネット銀行を一括りにしていっています。
★こんな人達のお役に立ちます★
- 独立(脱サラ)を考えていて、尚且つ銀行からの融資を考えている方
- 信用金庫について知らないけれど興味のある方
- 銀行と信用金庫の違いを知りたい方
銀行や信用金庫の特徴について書いた記事もありますので、是非そちらも併せて参考にしてください。
独立(脱サラ)するなら信用金庫を選択肢に入れるべき理由
結論から言うと、独立(脱サラ)して間もない方が資金調達したいと思った時に銀行はまったく相手にしてくれませんが信用金庫は相手にしてくれるため、信用金庫への預貯金を視野に入れるべきであるっと考えています。
読み手の中には老後のために貯金というよりは独立のために貯金されている方もいらっしゃると思います。
独立して個人事業主になったり法人を作るなどし何かしら事業を営むことになると思いますが、その事業はご自身の預貯金だけで営んでいく予定でしょうか?
そしてその歳は銀行から資金を調達する可能性があるかも、と考えていたりしませんでしょうか。
もしもあなたが
- 独立(脱サラ)したいと考えている
- 独立後、もしかしたら銀行から融資を受けることもあるかも?と考えている
の2点を満たすのであれば、サラリーマンである内に信用金庫の口座開設を行い、定期的にお金を預けることをおススメします。
最初にも言ったように、そのような人に対して銀行は相手にしてくれませんが信用金庫であれば丁寧に接してくれるからです。
銀行と信用金庫の違い
銀行は知っているけれど信用金庫って何だろう?という方に向けてそれぞれの特徴をお伝えしたいと思います。
なお忙しくて時間のない方はこの表を見るだけでも良いです。
特徴 | 銀行 | 信用金庫 |
誰のための動く団体か | 株主 従業員 |
地域 |
資金源 | 株主の出資 利用者の預金 |
会員の出資 利用者の預金 |
主な取引相手 | 中規模企業 大規模企業 |
個人事業主 小規模企業 |
面倒見の良さ | 業績が悪くなると「貸し渋り」「貸し剥がし」してくる | 業績が悪くなった時も親身に対応してくれる 独自の支援サービスがある |
全国展開 | 支店やATMが全国にある | 支店やATMはその地域周辺にしかない |
誰のために動く団体なのか
銀行が自社ならびに株主のために動く営利団体(民間企業)であることに対し、信用金金庫は地域の発展のために動いている非営利団体です。
このため銀行は利益を出すために中規模以上の事業でないと相手にしてくれませんが、信用金庫はそこまで利益を追従(まったく度外視というわけではないが)しないため個人や小規模も相手にしてくれるのです。
またこの特徴のため、銀行は日本全国で活動し支店も全国に備えてありますが、信用金庫は地域の発展のために動いるためその地域を離れるとネットワークが使えなくなってしまいます。
面倒見の良さ
融資を受けている際中の面倒見の良さにも違いが出てきます。
これは利益を追従しているしいていないの違いがあることからある程度仕方ないのかも知れませんが、銀行は厳しく信用金庫は優しいという具合にです。
銀行は「晴れの日に傘を差し出し雨の日に傘を取り上げる」と言われるように、業績が良かったり融資を受ける必要が特にない時には融資を進めてきますが、業績が悪くなり更なる融資が必要になった時には冷たい対応(所謂「貸し渋り」「貸し剥がし」)を取られてしまいます。
銀行としても顧客から預かったお金と従業員の給料を守らなければならないのでしょうが、借りる身からすると冷たいなと感じざるを得ません(どちらが悪いとかいう話ではなく)。
一方で信用金庫の場合ですと業績の良し悪しに関わらず面倒を見てくれるので、銀行が行うような「貸し渋り」「貸し剥がし」をすることはあまりありません。
融資を受ける側からするととてもありがたいものです。
信用金庫を使うメリットとデメリット
内容は前述の信用金庫の特徴と重複する箇所もありますが、信用金庫の特徴を元に利用することのメリット・デメリットをお伝えいたします。
メリット
個人でも相手にしてもらえる
信用金庫は会員の出資により成り立っているため会員になる必要があり、尚且つ
- 該当する地域に居住していること
- 該当する地域で勤務していること
- 該当する地域で事業(*)を行うこと
の3条件のいずれかを満たしている必要がありますが、それさえ満たされていれば融資を受ける際に相手をしてもらえます。
(* ただし従業員数が300名以下で、尚且つ資本金が9億円以下の規模である必要がある)
銀行だと個人や小規模事業はまず相手にしてもらえない(利益にならないし、リスクあるので)のでこの点は非常に助かるところです。
業績が悪くなっても面倒見が良い
良くも悪くも非営利団体ですので、業績が悪くなったとしても銀行のような「貸し渋り」「貸し剥がし」はせずに親身に相談に乗ってくれます。
信用金庫は組織そのものの利益よりも会員の利益を優先して考えてくれるので、この根本が銀行との大きな違いなのだと言えます。
信用金庫ならではのサービスがある
信用金庫は他にも地元にある企業や地元で活動する個人事業主に向けて独自のサービスも行っております。
創業支援サービス
起業を希望していたり、アイデアを形にすることを考えている方が創業するにあたっての支援を行っています。
ビジネスモデルや資金計画を考えるところから事業開始に至るまでのサポートを無料で行ってくれるなど、面倒見の良さが伝わってきます。
例えば私の身近な信用金庫である城北信用金庫ですとマーケティング支援の一環として「ホームページ制作支援」「クラウドファンディング活用支援」のようなサービスを提供してくれています。
ビジネスマッチング
ビジネスを営むにあたり地域のネットワークを活用し必要なパートナーを紹介してくれるサービスがあります。
例えば
- 不動産投資で工務店の付き合いが必要になった時
- 決算のために税理士との付き合いが必要になった時
- 取り引き先を求めている時
などの時に紹介してくれるサービスがあります。
また紹介だけでなく、そういう方々が交流できるような異業種交流会の開催をしてくれる信用金庫もあるのでパートナーを求める段階では大きな助けになってくれると言えます。
デメリット
借入金利や手数料が高い
まず信用金庫で融資を受ける際の借入金利は銀行よりも高いです。これは個人や小規模事業が悪い言い方すると「属性の低い人」に該当するためです。
(例えば銀行だと1%前後の金利で融資してくれる場合でも信用金庫では2~3%になってしまうなど)
このため取り引き実績がない or 少ない内は借入金利が高くつくことと思ってください。
また預金の振込や引出の際にかかる手数料も高いです。簡単に銀行(三井住友銀行)と信用金庫(城南信用金庫)で他行の振込手数料を比較してみましたが
銀行 | 信用金庫 | |
振込手数料 | 無料~550円 | 110~880円 |
という具合で最大300円程度の差が出ておりました(しかも信用金庫だと無料にはならない)。
振込手数料以外は大きな差がなかったので振込の際だけのデメリットとも言えますが、思ったより高いと感じる部分です。
引っ越し族には向かない(地域の発展のためなので)
既にお気付きの方も多いと思いますが、信用金庫のキーワードは「地域の貢献」であることから、その地域を離れると一気に活用が難しくなってきます。
銀行と違いコンビニのATMにも対応されていることも少ないので、独立してからも引っ越しを頻繁に行う予定なのであれば信用金庫の活用は難しくなってきます。
インターネット対応に弱い
銀行とも大きな差はないかも知れませんが、インターネット対応に弱いです。具体的には
- インターネットバンキングの使い勝手が悪い
- 窓口まで行かないと対応してもらえないことが多い
など、人によっては手続きを面倒と感じてしまう部類に入るかもしれません。
一見さんお断り
信用金庫に限らないですが、基本的に一見さんお断りです。
仮にいきなり脱サラして信用金庫を訪れて「融資してください」といっても門前払いを受けることになるだけです。
いくら個人や小規模事業を相手にしてくれるからといって、それはある程度の信用を積み上げた上でのお付き合いになるということを忘れないでください。
具体的にどう信用を積み上げていくかについては後述します。
おまけ:融資ならば日本政策金融公庫もアリだが、男性は年齢制限を受ける
余談ですが創業支援で融資を受けるというのであれば日本政策金融公庫という公共の金融機関を利用する手もあります。
若者・高齢者・女性であれば低い金利で借りることもできるのですが、残念ながら35歳以上55歳未満の男性の場合だと条件が厳しくなってしまいます。
この辺もまた別記事で書いていきたいなと思います。
サラリーマンである内にやっておくべき信用の積立
デメリットでも書きましたが脱サラしていきなり融資をお願いしようとしても門前払いを食らってしまいます。
信用金庫で融資を受けるには会員になった上で信用を積み上げる必要があります。
もちろん脱サラしてから信用を積み上げることもできますが、サラリーマンでいる内の方が有利に積み上げられる部分がありますのでお伝えしたいと思います
- 給与振込先を信用金庫に切り替える
- 給与の一部を信用金庫に定期積立する
- 副業収入の入金先を信用金庫にする
- 副業関連の支払いの引出元を信用金庫にする
このようにして取引実績を数年積み重ねた上で脱サラすれば、脱サラした時点で信用ができあがった状態になりますのでその後の融資を有利に進めていけることになります。
まとめ
もし将来の独立のために貯金をしていて、尚且つ事業のために融資を受けるかも?と検討されている方へ信用金庫を活用することをおススメさせていただきました。
せっかく預金するならば自分の目的に合った貯め方をすべきで、知らずに単に銀行に預けていくのは非常にもったいないことです。
本記事が少しでもあなたの独立のお役に立てればとても幸いであります。