実家暮らしの弊害タイトル

実家暮らしで生活できていても、独り立ちできない収支状態では一生実家暮らしのままです。

一番賢い節約術は何か?と聞かれたら理論上はほぼ生活費のかからない実家暮らしと言えるでしょう。

しかし一方で実家暮らしを長く続けると逆に節約の習慣が身に付かなくなり危険であると私は考えています。

実家暮らしの弊害およびその対策を解説いたします。

★こんな人達のお役に立ちます★

  • 実家暮らしが一番お金が貯まると感がている方
  • 現在実家暮らしで、このままで良いかと悩んでいる方
  • これから実家暮らしと一人暮らしのどちらを選ぶべしか悩んでいる方

理論上は実家暮らしが一番賢い節約手段

お金がかかりません

一番賢い節約術は何でしょうか?

貯金額は「収入ー生活費」の結果として出るものであり、節約術とはその生活費を下げる手段であることを踏まえれば、その生活費をほぼゼロにできるという実家暮らしは一番賢い節約術であると言えましょう。

収入の10~20%を貯金できれば社会人として優秀とされている中、生活費の50%以上を占める家賃・食費・水道光熱費など費用が0である実家暮らしがいかに貯金しやすい環境であるかは言うまでもありません。

例えば家賃6万・食費3万円・水道光熱費2万円を毎月支払う独身の人の場合、実家暮らししている場合と一人暮らししている場合では毎月11万円という大差が出ます。

このことから実家に渡す額が余程の額でない限り、実家暮らしは節約する上で最も賢い手段であると言っても過言ではありません。

実家暮らしが長く続くことによる弊害

思わぬ弊害の図

しかしその一方で実家暮らしが長く続くことでかえって節約の習慣がつかなくなるため、必ずしも賢い節約術とは言い難いと私は考えています。

特にお金がかからないという理由だけで実家暮らしをしていると、その分節約に対する意識が薄まってしまうので何の節約術も身に付かないままとなってしまいます。

それでも結果的にお金は貯まりやすいのでしょうが、実家を出た後に継続できる節約術がない or 少ないことを踏まると賢い節約術とは言えないのではないかと私は考えます。

具体的に発生しうる弊害およびその対策について整理させていただきましたので順に解説していきます。

節約を意識する必要がなくなる

そもそもの話ですが実家暮らしの場合、稼いだお金は基本自分が遊ぶために使えます。

このことにより生活のためのお金を使う意識が薄れるので「節約しなくても大丈夫だな」と思うようになりますし、それでもお金が貯まりやすいことから更に「散財しても大丈夫だな」とすら思うようになってきます。

インターネットで検索すると実家暮らしでありながら貯金0の人が多くみられますが、その大半はこのような傾向が強い人が多かったでした。

対策
毎月の目標貯金額を決め(周囲に相談しても大丈夫です)、日々家計簿をつけることを心掛けてください。

そして毎月その貯金額を達成できているかを確認し、達成できていないようであれば見直してください。

また達成できていようがいまいが、「この支出は本当に必要だったのか」と自信の支出を振り返り、見直すようにしてください。

生活費の内訳が分からないままになる

実家暮らしをしていると少なくとも

  • 家賃
  • 食費
  • 水道光熱費

は両親が負担することになるため、それぞれいくらかかっているかを意識しなくなってしまいます。

あなたは自分の実家の家賃・食費・水道光熱費を知っていますでしょうか?

仮に毎月両親にいくらかかっていたかを聞くことはできても、それが誰のどのような行動による結果なのかまでを確認することは難しいでしょう。

節約の初歩は現状の生活費の内訳を知り、そこから問題(お金が特にかかっている)となる項目を改善することになりますが、これではその初歩を歩むことすら難しいです。

対策
生活費の内訳をまずは確認してみてください。一人暮らしが何にお金を払っているかはインターネットで調べることができます。

その上でご自身の現在の生活状況と比較し、そもそも貯金していけるのかを確認してみてください。

この時点で貯金ができない or 目標金額の貯金ができそうになければ、そこは見直しのポイントです。

自由度が低く試行錯誤ができない

実家暮らしでは固定費・変動費共に減らすための試行錯誤がし辛いと言えます。

固定費に関して言えば家賃の見直し・電気会社の見直し・プロバイダーの見直しなどがありますが自分の家ではない分、自由度は低いと言えます。

変動費に関して言えば食事や家事は基本両親が実行するため食費・水道光熱費の節約のために試行錯誤をする機会がほとんどありませんし、自分以外の行動まで制御することはできないので生活費を減らせてもそれが自分の行動の結果によるものかを確認し辛いです。

試行錯誤して学習していくことで様々な節約術が身に付くものですが、この状態では節約のために試行錯誤したくても試行自体がやりにくい状態となり、最悪何もしないまま日々を過ごすことになってしまいます。

対策
食費は時々で良いので両親の代わりに自分で食材を買って料理してみましょう。続けていく内に、1食あたりいくらかかるかを把握できるようになります。

水道光熱費は難しいですが定期的に水道・電気・ガスのメーターの変化を確認してみましょう。どういう行動をすればメーターが大きく増えてしまうのかを把握できればそれは後の節約のヒントになります。

周囲に言いづらい

ここは節約とあまり関係ないですが、今の日本では「子供部屋おじさん」「子供部屋おばさん」という言葉があるように、まだまだ実家暮らしに対する理解が浅い状態です。

私は具体的な貯金の目標をもって実家暮らしを選択しているのであればそれは立派な判断であるし何ならそれができるなんて羨ましいと思う方ですが、残念ながら私のような考えはまだまだ少数派です。

周囲に言うことで要らぬ噂を立てられてストレスを感じながら続けるのはよろしくないですし、もし結婚を考えているパートナーがいても家には招き辛い上に理解が浅ければ告げることにより関係悪化が懸念されてしまいます。

そうなると必然的に周囲には言い辛くなってしますが、もしそのことがストレスになるようであれば仮にお金が貯まったとしてもその生活は決して賢いとは言い辛いでしょう。

対策
実家暮らしをしていることを自分から告げる必要はありませんので、理解してくれそうにない方へは黙っておきましょう。

仮に告げるにしても目標を持った上で実家暮らしをしている分には恥ずべきことはありません。自信をもって自分の口から説明できるようになりましょう。

長続きするほど実家を出にくくなる

お金が貯まりやすく、尚且つ家事をしなくても良い状態というのは居心地が良いものです。

しかしもしこの状況下でもお金が貯まりにくいのであればそこから一人暮らしに切り替えても生活できなくなるのでなかなか挑戦しようとは思いにくいことでしょう。

またその心地よい環境が長く続くことで「このままでもいいや」と考えるようになるとそれはそれで一人暮らしに切り替えることは心理的に難しくなるでしょう。

一生実家で暮らしていくつもりなのであればそれでも良いのかも知れませんが、そういう方は極少数でしょう。

対策
目的を持たないといつまでも同じ生活をしがちです。

一生実家で暮らす予定でなければ、「何歳まで」「〇円貯まったら」など実家を出るための目標を作りましょう。

まとめ

実家暮らしは一見賢い節約術に見えますが、目的意識を持たないとお金は貯まっても節約術そのものは身に付かない日々を過ごすこととなります。

節約術そのものが身に付かなければ実家を出た後の生活を維持しにくくなる懸念もあるため、実家暮らしの弊害およびその対策すべきかについて解説させていただきました。

既に実家暮らしをしている方は貯金できている・できていないに関わらず一度ご自身がこの記事で述べた弊害に当てはまっているかどうか確認してみてください。

少しでも気付きにつながれば記事を書いた者としては非常に喜ばしいことです。